人間椅子
万能人たちの作品を眺めるより、この鍵穴と対峙する時間の方が、よほど長く、
私には、余人がここに興味を示さないことが不思議で、面白く、興味深くあり、
独占出来ることを幸福に思い、座り続け、あたかも景観の一部であるかのように、
彼らの視界から自我の存在を隠し通したのであった。
アルバム: 東京の有料施設
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コメント (2)
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>μ 様
はい、そんな感じです。
この時も、目の前に人が立っています。近すぎて性別すらわからないですが。
静かな空間だと、鍵穴からは音を聞き取ることも出来そうですね。
聴覚のみの世界。移動、ため息、衣擦れ、吐息、ささやき、喘ぎ。2017年7月17日 01:55 ぼーもあ (12)
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人間椅子が見ることの出来ない触覚のみの世界ならば鍵穴は触れることの出来ない視覚のみの世界。
自分の上に誰かが座ってくれるのを待ち続ける椅子。
自分の前に誰かが立ってくれるのを待ち続ける鍵穴。
2017年7月11日 00:52 退会ユーザー